嘘つきのための辞書 amzn.asia 2,599円 (2025年04月29日 11:48時点 詳しくはこちら) Amazon.co.jpで購入する 自分が生きた証を残したいと思う人はいる。子孫、作品、記録……。観光地に「〇〇参上！」と彫り付けるのもその一つの形だろう。後世に残るような凶悪な事件をこの願望のために犯す人も残念ながらいる。百年の人間の寿命で、遺してゆく近しい人の記憶に残るだけでは満足できない、そんな欲を持っている人は多いのではないか。 十九世紀末のロンドン。『スワンズビー新百科辞典』を編纂するスワンズビー

酷暑による夏バテが治まりかけた頃、9月の初旬にコロナに罹った。初感染だった。ひとり暮らしだし、いまだマスクを離さない毎日だったので、もしかして私はこのまま逃げ切れるんじゃないかと思っていたが、親戚のお葬式というよくあるシチュエーションでもらってきてしまった。 私が感染したとき、世間的には流行に一段落ついていて、休診で向かった病院でも、当初は「休診ではコロナの検査はしません」と言われたものの、前出の直近の行動を説明した途端、「検査します」となり、その検査は無駄とはならずに、「陽性」と判断された。まあ息苦しさを伴う痰詰まりが主訴だったのだけど、病院に行く前からこれはただの風邪じゃないなと